いよいよレース本番のプレコンディショニングである30km走を行います!
ここまで順調にトレーニングができていれば「30km」走も問題なくこなせるはずです。
最大の山場である30km走はマラソン大会の3週間前に行い、
マラソン大会当日42km走りきれるように最後のトレーニングを行います。
30km走ってなんの意味があるの?
それ以降は大会当日まで走らなくていいの?
そう疑問に思う方も多いはず。
今回は30km走の取り組み方や30km走を行う目的を解説し、
以降レース前日までのトレーニングを解説します!
この記事のトレーニングプログラムの監修は、
ランニングコーチの山田祐生さん。
自身もフルマラソン2時間17分台で走るランナーです。
STEP2で完走率80%!残りの20%は…?
大会の1ヶ月前に、STEP2まで終えてきた皆さんは
もうほとんどマラソンを走るための体の8割はできています。
この大会までの残り1ヶ月間のトレーニングでは
残りの2割を詰め込んでいく作業となります。
具体的には…
・30km走で最後の仕上げ
・レースまでのテーパリング
この2つをこなすことができたら
「ランプラス流マラソン完走プログラム」を100%完遂し、
大会当日も最後まで歩かずにゴールすることができると思います!
1ヶ月前に35km走で最後の仕上げ
マラソン本番にはじめて長距離を走るのは
精神的にも肉体的にも初めて尽くしで不安になると思います。
20km以降の距離を走れる体を作りつつ、
長く走ることへのメンタルを強化を目的として35km走を行います。
マラソンでよく言われる「30kmの壁」の正体!
・糖質の枯渇
・筋持久力不足
・糖質の枯渇
体を動かすにはエネルギーの元である糖質が必要なのですが、
人の体にはおおよそ15〜25km程度分しか体内に溜め込むことはできません。
トレーニングによって貯蔵量を増やすことはできますが
それでも30km程度と言われています。
この体内の糖質の枯渇が「30kmの壁」の大きな原因になります。
・筋持久力
走るという行為は、筋肉をエネルギーを使い動かすと言うことです。
マラソンでは早い人でも2時間3時間は動かし続けることが必要です。
しかし筋肉も生きていますので、耐久できる以上の活動をし続けると
動かせなくなります。
上記であげたエネルギーの元である糖質の枯渇の問題もありますが、
その他、血液の循環不良などが挙げられます。
この血液循環を長い間正常に保てるように体を成長させることが重要!
つまりマラソン当日と同じような時間走り続けること!
ペースはレース本番で走りたいペースで!
ペースはマラソン当日に走りたいペースの80%〜90%程度のペースで行います。
下記におおよそのペースを表にまとめておきますのでぜひ参考に取り組んでみてください。
STEP1で行った3km TTのタイムから換算すると最適なペースとなります。
ペースは1kmあたり | ||
3kmTT | 10kmペース走 | 35km走のペース |
3’50 | 4’10~4’30 | 5’12~4’46 |
4’00 | 4’20~4’40 | 5’24~4’57 |
4’30 | 4’50~5’10 | 6’00~5’30 |
5’00 | 5’20~5’40 | 6’36~6’03 |
5’30 | 5’50~6’10 | 7’12~6736 |
6’00 | 6’20~6’40 | 7’48~7’09 |
ここで35kmきっちり走りきれば、
残り3週間のトレーニングの取り組み次第で
レース当日は、この目標ペースで走り切ることができます。
残り3週間は「テーパリング」
テーパリングとは先細りという意味。
マラソンは球技などの他の技術スポーツと違い、
「練習でできないことはできない」ではなく
「練習以上のことができてしまう」のです。
これはこれから紹介する「テーパリング」という
体の持った特性を活かしたトレーニングを行うことで可能にするのです!
3週間で質を落とさず量を落とす
マラソントレーニングにおいては
重要なレースの前には
トレーニングの頻度や質は減らさずに
量を減らしていきますが、
このことを「テーパリング」と言います。
このテーパリングを行うことで
マラソンのパフォーマンスが3%向上すると言われており
「30kmの壁」をこえ、
練習で行っていない35km以降の未開の距離を乗り切ることができます。
具体的なトレーニングは下記のようになります。
4週間前 35km
3週間前 25km
2週間前 15km
1週間前 10km
トレーニングのペースは維持し、走る距離を少しづつ減らしていきます。
体が徐々にフレッシュになっていくことを実感し、
同じトレーニングでもラクに走れるようになっていくと思います。
ここまでの練習で向上させた体力レベルを維持しながら
溜まっていた疲労を抜いていく作業です。
【完全休養ではダメなの?】
では完全休養ではダメなのでしょうか?
答えはダメなのですが、それは完全休養では疲労は抜けますが
それと同時に向上させた体力レベルも低下するのです。
完全に休んでしまっては、これまで頑張って向上させた体力が落ちてしまい
マラソン完走も難しくなるでしょう。
向上させた体力レベルを維持しながら、疲労を抜いていくためには
練習は継続しながら、量を減らしていくことが重要なのです!
▼テーパリングのより詳しい解説はこちらをご確認ください▼
トレーニングプログラム(大会1ヶ月前)
以上を踏まえてトレーニングは下記の通りとなります。
重要なので何度も言いますが、
1ヶ月前に練習量のピークがきて
そこから徐々に先細りさせていくことが重要です!
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
1週目(レース4週間前) | 30分 | OFF | 1km3本 | OFF | 40分 | 35km走 | OFF |
2週目(レース3週間前) | 30分 | OFF | 15km | OFF | 35分 | 20km走 | OFF |
3週目(レース2週間前) | 30分 | OFF | 10km | OFF | 30分 | 10km | OFF |
4週目(レース1週間前) | 25分 | OFF | 5km | OFF | 25分 | 移動日 | マラソン大会 |
トレーニングの全行程はこれにて終了です!
STEP4ではレース当日の過ごし方やレース戦略、前日のとるべきご飯について解説します!
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