マラソンは、
トレーニングの負荷をかけることで速くなるわけではありません。
人に備わる恒常性の機能を応用し、
かけたトレーニングの負荷の疲労から回復することで
トレーニング前より少しだけ体が成長し、
少しだけ速く走ることができるようになるのです。
これは「超回復」というトレーニング理論の原則です。
そう考えると、 「負荷」よりも「回復力」が重要だというふうにも考えることができます。
「回復力」を高くし、かつ素早く「回復する方法」があれば、効率よく速くなれるのでは?
今回の記事では、
トレーニング効果を最大発揮するマラソン最重要科目
「リカバリー・回復力」を早める方法を解説します。
体が回復する理由:成長ホルモン
人の体が回復するにはホルモンの分泌が関係しています。
体の中にあるたくさんの種類のホルモンが
分泌されたり抑制されたりして
体の恒常性を保ちます。
その中でも体の修復やメンテナンスに働く成長ホルモンが「回復」には重要。
この成長ホルモンは「睡眠中」によく分泌されることが研究で報告されています。
回復に最も重要なのは睡眠
つまり、体を回復するために必要な
成長ホルモンを分泌させるためには
睡眠をしっかりととることが重要なのです。
まずは量を確保、次に質
そしてこの睡眠ですが、
まずは量をしっかり確保することが重要です。
最低でも6時間は睡眠時間を確保するようにしましょう。
睡眠開始から3時間で成長ホルモンの分泌量が最高値となります。
その後緩やかに成長ホルモンの分泌は減少します。
成長ホルモンは、回復力に影響しますので、
6時間以上は最低でも確保する必要があります。
しっかり睡眠を取れた翌日の体のスッキリ感は
誰もが実感したこともあるはずです。
しかしそうは言っても
毎日の仕事で忙しいビジネスパーソンには
毎日7時間以上睡眠を取るのは難しいことも。
量が確保できない場合は質を高めることもオススメです。
上の画像の通り、
睡眠から3時間で成長ホルモンは最大値になります。
この時間は深い眠りに入っているのが条件。
眠りが浅く細切れで起きてしまう人は、
成長ホルモンの最大分泌量まで到達していないということです。
逆を言えば、
睡眠量を確保できずとも深い眠りをすることができれば
睡眠時間の不足をカバーすることができるのです。
睡眠の質を高める方法
睡眠の質を改善する方法は下記の通り
- ・アルコールを控える
- ・睡眠の1〜2時間前に入浴する
- ・快眠グッズを使用する
アルコールを控える
アルコールは、睡眠の質を低下させます。
睡眠前までには体内のアルコールを分解しておくことが必要です。
アルコールの分解には、
日本酒1合orビール中瓶1本を分解するのに
3〜4時間かかると言われていますので
睡眠4時間前には飲酒を終えておくことが
睡眠の質を高めることになります。
アルコールを断つのが難しい人は、飲み方を工夫
アルコールを断つというのは難しいのが性です。
そんな方に、
ランプラス編集部の飲酒量を減らした経験談を紹介します!
それは、
ノンアルコールビールをチェイサーに挟むようにすること。
もしくは、
ビールの前に水を一杯飲むようにすること。
減らすのは「ストレス」になってしまい、
ビール党の方には酷です。
ストレスなく飲酒量を減らすなら、先に水を飲んでおくことを推奨します。
お風呂上がりのビールは水のようにわずか数秒で飲み干せてしまいます。
その後晩酌をしながら1本、足りなければさらに1本…
この風呂上がりの最初の1杯をまず水を飲むことで、
必要以上のアルコールを減らすことができます。
またノンアルコールビールを準備しておくことで
さらにアルコールの摂取量も抑えることができます。
睡眠の1〜2時間前に入浴する
人の体は深部体温が低下することで眠気を感じるようになっています。
深部体温は体の中心の体温のこと。体の中心や頭の深部。
逆に手のひらなどの体温は皮膚温と言います。
入浴により、一時的に深部体温を上昇させることで
深部体温は急激に下がっていくため、
睡眠のスイッチが入ります。
この深部体温の下降で質の高い眠りにつくことができます。
快眠グッズを使用する
快眠グッズを利用するのもおすすめ。
手のひらや頭部、脇のしたなどを冷やすことで
深部体温を下げることができます。
特に夏などは体温を下げるようなアイテムを使って
睡眠の質を上げるようにしましょう。
熱さまシートは深部体温を下げる効果あり!
深部体温は体の中心と頭の深部のこと。
「熱さまシート」を貼って入眠することで
深部体温を下げてくれ朝までぐっすり眠れるようになります。
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12℃が重要!手のひらを冷やすコアクーラー
スポーツメーカーのデサントから発売されているコアクーラー。
こちらはトレーニング中に使うことも可能ですが
睡眠時に手のひらにつけておくことで
深部体温を下げてくれます。
DESCENTE(デサント) 暑熱対策用グローブ 両手用 適温蓄冷材付き コアクーラー ブラック フリーサイズ DAT-9000
引用:“質の良い睡眠”をつくる深部体温とは?~悟空のきもち「睡眠用うどん」開発者と語る~
次に重要な食事
次に重要なのは食事。
栄養あってこその回復なのです。
成長ホルモンが体の修復に重要なことを解説してきましたが、
成長ホルモンはいわば体を修復する大工さんのようなものです。
いかに優れた大工がいても修復するための材料がなければいけません。
この修復のために必要な材料となるのが栄養です。
適切に栄養を摂取することが睡眠と同じように重要なのです。
最も重要なのは3大栄養素:その中でも炭水化物とタンパク質
マラソントレーニングを行う原料の多くは炭水化物(糖質)です。
炭水化物(糖質)を消費してエネルギーを生み出すことができるため、
次のトレーニングまでに
体内に蓄えることが疲労回復のポイントとなります。
タンパク質は体内でアミノ酸に分解され
ホルモンに合成されて筋肉の修復などに利用されます。
ホルモンを分泌するだけではなく、
修復の材料をホルモンに与えることが重要!
また悪者扱いされやすい脂質ですが
3大栄養素に含まれるように
体にとって重要な栄養です。
マラソンを走るためのエネルギーは
糖質と脂質を1:1か少し脂質が多いくらいで利用しているのです。
ただし、
基本的には脂質は、
何も気にしなくても摂取されていることが多いです。
むしろ摂りすぎの傾向にあると言えます。
基本は控えめの食事を気にするようにするのがいいでしょう。
ホルモンの働きを助ける重要栄養素:亜鉛とアルギニン
タンパク質、炭水化物、脂質の3大栄養素を
バランスよく摂ることも重要ですが、
そのほかにも体のメンテナンスに重要なのは、
「亜鉛」と「アルギニン」
疲労回復に必須な「亜鉛」
亜鉛は酵素(体内での化学反応)の元となります。
体の修復(タンパク質合成)に特に重要となる栄養素です。
ホルモンの働きをサポートする「アルギニン」
またアミノ酸の一つである「アルギニン」は
成長ホルモンの分泌を促すことが知られています。
アルギニンは鰻やニンニクに多く含まれています。
タンパク質と糖質を確保しながら回復力をサポートする栄養素を摂取!
以上の通り、
まずは適切な食事(炭水化物5:タンパク質3.5:脂質1.5)を心がけながら、
上記のような成長ホルモンの働きを向上させる栄養も
適切に摂ることも重要になります。
アルギニンや亜鉛などは食事から摂取するのはなかなか難しいので
サプリメントで補うのもオススメです!
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まとめ
今回はマラソントレーニング最重要科目「回復」について解説し、
回復力を高める方法を解説しました。
まとめると…
となります!
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